BECV

Video, 16分43秒

小沢裕子は映像と音や字幕の間にズレを生じさせることで、言葉や意識の所在を問う作品やパフォーマンスで知られる作家。

『デギリやギーゼ』は、Web上で見つけてきた脈絡のないいくつかの映像を組合せて作るシリーズの作品。音と映像がズレてゆき、本来の意味を無視した字幕がついたり、突然同期したり、音訳されたりと既存の映像リテラシーを裏切っていく。

本作は2017年に発表した作品。誰しもが常時オンライン状態にある現代の情報社会をユーモアとアイロニーをもって軽快に乗りこなす様が描かれている。また、コロナ禍にあたって開始した本展においては、各人がウェブから摂取した情報を切り取り、独自の世界を静かに育んだ、夢のように曖昧なこの一年間の心象風景としての鑑賞の可能性を提示する。